世界一周で実際に食べたエジプト料理を、動画・画像・解説付きでまとめています。このページでは、コシャリ・ネグレスコパスタ・シャクシュカの3品を紹介しています。
コシャリ
現地語で「混ぜる」という意味のエジプトの国民食
首都カイロと、王家の谷のあるルクソールの2か所で食べました。
2025年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。登録名は「コシャリ、日常料理とそれに関連する慣習」です。
材料は米・パスタ・黒レンズ豆・フライドオニオンで、酢・ニンニク・ホットソースを好みで加えます。家庭で作られるほか、レストランと屋台で提供され、屋台は学校の近くや人通りの多い場所に多く出ています。地域ごとに違いはありますが、基本のレシピは共通しています。
ユネスコは登録理由として、コシャリが「団結・共有されたアイデンティティ・社会的結束を促す」ことを挙げています。近所や友人と分け合い、家族の集まりで出され、大使館の祝賀行事でも供されます。
作り方は家庭のなかで、とくに母から娘へ非公式に受け継がれます。これらはユネスコの登録概要に記載されています[1]。
ネグレスコパスタ
アブ・シンベル神殿へ向かう途中の、ヌビアの村の食堂で食べました。
ネグレスコはイタリアではなくエジプトで生まれた料理です。イタリア人やギリシャ人など多くの国の人々が、世代にわたってエジプトを故郷と呼んでいた時代に生まれました。
鶏肉とベシャメルソース、モッツァレラ・チェダー・パルメザンまたはルーミといった複数のチーズを使い、イタリアとギリシャの影響が見てとれます。エジプトとUAEではラマダンの定番で、子どもにも人気があります[2]。
エジプトには、ベシャメルソースでパスタを焼く料理がマカロナ・ベル・ベシャメルという名前で定着しています。19世紀半ば、宮廷の厨房で働いたフランス仕込みの料理人がヨーロッパの技法を持ち込みました。
20世紀初めにはカイロとアレクサンドリアのギリシャ系レストランがパスティチオを広め、エジプトの料理人がそれを作り変えます。料理書『Kitab Abla Nazira』が作り方を定め、家庭の定番になりました[4]。
シャクシュカ
北アフリカから中東まで食べられるトマトベース卵料理
エジプト南部の先住民族ヌビアの村で、朝食として出てきました。カレー・パン・ポテト・サラダ・チーズと一緒の一皿です。
トマトソースの上に鶏卵を割り落として作る料理で、北アフリカを中心とする中近東でよく食べられます。エジプトではオーブンで焼くことが多く、挽肉を加えることもあります。トルコには類似した料理としてメネメンがあります[3]。
エジプトの食に関する無形文化遺産
ユネスコ無形文化遺産のうち、エジプトの食に関わるものは現在1件です。
コシャリ、日常料理とそれに関連する慣習(2025年登録・登録番号02278)
食の無形文化遺産は、料理そのものではなく、作り方の受け継がれ方や分け合う習慣まで含めて登録されます。
担い手はレストランの経営者と従業員、屋台の売り手、農家、そしてコシャリの屋台を作って装飾する職人にまで及びます。食後にライスプディングを出すデザート店も含まれます[1]。