パフォスの考古遺跡は、キプロス島西部のパフォスに残る古代都市ネア・パフォスと「王家の墓」の遺跡で、アフロディテ信仰の中心地として、ギリシャ神話を描いた床モザイクで知られる世界遺産です。王家の墓と考古学公園の2か所を歩き、首都ニコシアの博物館でアフロディテ像を見た記録を、動画・写真・解説付きでまとめています。
王家の墓
まず北にある「王家の墓」へ行きました。名前は王家の墓ですが、実際には王の墓ではなく、紀元前3〜4世紀ごろの高官や富裕層の墓です。遺跡めぐりが続いていて遺跡そのものへの感動は薄れていましたが、ずっと水平線が見える自然豊かな場所で、ため息が出るような眺めでした。
見るべきなのは、規模の大きい6番の墓、明らかに教会として使われた形が残る7番の墓、柱の保存状態がよい3番の墓だと思います。3番の墓はドーリア式の柱に囲まれた中庭の周りに長方形の小部屋が並び、奥まで深く掘られています。パンフレットの表紙にもなっている場所で、柱の上のレリーフも残っていますが、今は鳩の巣になっていました。
考古学公園とモザイク
南の考古学公園は「ネア・パフォス(新しいパフォス)」と呼ばれる場所で、2000年ほど前のローマ時代の遺跡が数多く残っています。イオニア式の柱やコリント式の柱頭、アゴラのような都市の跡があり、特に床に敷かれたモザイクで知られます。
一番の見どころとされるディオニュソスの館は閉まっていましたが、テセウスの館・オルフェウスの館・アイオンの館のモザイクは状態よく残っていました。
ヨーロッパの東南の端にあるキプロスでも、ギリシャ・ローマの影響を受けていた証拠が見える場所です。遺跡そのものより、ずっと水平線が見えている海の景色のほうが、イタリア・ギリシャを回ってきた後では印象に残りました。アフロディテが生まれた島とされますが、その神殿はパフォスから東のクークリア村にあり、ほとんど残っていないと聞いて行くのは諦めました。
首都ニコシアのキプロス博物館
別の日に、パフォスからバスで2時間ほどの首都ニコシアにあるキプロス博物館へ行きました。キプロスで一番大きな考古学博物館で、土器や彫刻、ギリシャやエジプトの影響を受けたもの、墓の出土品まで、思ったより大きな規模で展示されています。
キプロスで生まれたとされるアフロディテの大理石像がここにあり、海で見つかったものだと書かれていました。墓の周りで見つかった黄金の装飾品もあり、パフォスの遺跡と関係する展示です。
世界遺産データ:パフォスの考古遺跡
パフォスの考古遺跡は1980年に世界遺産に登録されました。カト・パフォスの町にある古代都市ネア・パフォスと「王家の墓」と呼ばれる墓地、クークリア村のアフロディテ神殿と古パフォスの3つの構成資産からなります[1]。
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- (iii)文化的伝統や文明の、比類のない証拠
- (vi)普遍的な意義をもつ出来事・伝統・思想・信仰・芸術との関連
キプロスは新石器時代からヘレニズム以前の豊穣の女神が信仰された場所で、アフロディテ神殿は紀元前12世紀にミケーネ人が建て、ローマ時代まで使われました。
ネア・パフォスのモザイクはヘレニズム期からビザンティン期にわたり、世界で最も美しいものの一つとされています。ギリシャの神々や英雄、日常の営みを描いた古代ギリシャ神話の画集のような存在です。岩を削って造られた列柱つきの墓は古代建築を知る鍵とされ、モザイクの保存はゲティ保存研究所との共同事業(2004年まで)を経て、2011年から文化財局の保存計画が続いています。