ワディ・ラム保護地域は、ヨルダン南部のサウジアラビア国境近くに広がる砂岩の砂漠で、奇岩と峡谷の景観に加え、1万2千年にわたる岩絵と碑文が残る複合遺産です。ジープの1日ツアーで岩絵や自然のアーチ、見晴らしの岩を回った記録を、動画・写真・解説付きでまとめています。
ジープツアーで回る砂漠
ペトラとは違って、こちらは完全にアドベンチャーです。岩壁には動物の絵と文字が一面に刻まれていて、ウサギの絵もあります。自然のアーチは遠くからガイドに撮ってもらいました。ベドウィンの宿は三角や四角のテントが多いですが、円形のものもあります。
石が積み重なった場所は、かつて家があったとされる場所で、もともとアラブ系の民族ベドウィンがこのあたりに住んでいました。こんな場所で暮らせるのかと不思議でしょうがない景色です。
この地域一帯には岩絵が2万5千、文字が2万か所ほど、至るところの岩に見つかっています。写真や動画で見るのとは全然違う何かの力を感じる場所で、砂漠に複合遺産があるという程度の知識で来ましたが、これまで訪れた世界遺産の中で1位2位を争うほど気に入りました。溶け出したように滑らかな岩を越えると、砂漠を一望できます。
ツアーは全日のジープツアー、半日、ラクダ乗り、夕日、星空、朝日と一通りそろっています。前日に出会ったイギリス人の2人組が全日ツアーに行くというので急きょ変更しましたが、それがベストな選択でした。
世界遺産データ:ワディ・ラム保護地域
ワディ・ラム保護地域は2011年に世界遺産に登録されました。大陸性の砂岩が断層や隆起、乾燥と湿潤の気候を経た風化と侵食で削られてできた地形で、狭い峡谷、自然のアーチ、そびえる崖、巨大な地滑りの跡、蜂の巣状の風化が見られます。T・E・ロレンスの著作との結びつきが、砂漠の景観の代表としての評価を高めました[1]。
- i
- ii
- iii
- iv
- v
- vi
- vii
- viii
- ix
- x
- (iii)文化的伝統や文明の、比類のない証拠
- (v)伝統的な集落や土地・海の利用の見本
- (vii)類まれな自然現象や、自然美・美的な重要性
数値の表
| 西端からの距離(km) | 標高(m) |
|---|---|
| 0.00 | 959 |
| 0.50 | 979 |
| 1.00 | 1,013 |
| 1.50 | 999 |
| 2.00 | 1,035 |
| 2.50 | 1,151 |
| 3.00 | 1,413 |
| 3.50 | 1,501 |
| 4.00 | 1,720 |
| 4.50 | 1,611 |
| 5.00 | 1,495 |
| 5.50 | 1,239 |
| 6.00 | 959 |
| 6.50 | 954 |
| 7.00 | 938 |
| 7.50 | 975 |
| 8.00 | 1,190 |
| 8.50 | 1,337 |
| 9.00 | 1,080 |
| 9.50 | 1,031 |
| 10.00 | 1,010 |
| 10.50 | 1,014 |
2万5千の岩絵、2万の碑文、154の遺跡が、少なくとも1万2千年にわたる人の居住と土地利用の連続を示しています。岩絵は人や動物の姿を岩塊や崖面に刻んだもので、タムード文字、ナバテア文字、4種類のアラビア文字の碑文は、牧畜社会に読み書きが広まっていたことを物語ります。
青銅器時代に気候が乾燥した後も、乏しい資源を生かして定住と移動の暮らしを続けた適応の例です。1997年に保護地域となり、車の轍や観光施設、ラム村の拡大が課題とされています。
参考文献
- [1] UNESCO World Heritage Centre「Wadi Rum Protected Area」
- [2] UNESCO World Heritage Centre「The Criteria for Selection」
- [3] Copernicus「Copernicus DEM GLO-30(衛星で測った約30m間隔の標高・produced using Copernicus WorldDEM-30 © DLR e.V. 2010-2014 and © Airbus Defence and Space GmbH 2014-2018 provided under COPERNICUS by the European Union and ESA; all rights reserved. The organisations in charge of the Copernicus programme by law or by delegation do not incur any liability for any use of the Copernicus WorldDEM-30)」
- [4] Copernicus「Sentinel-2 L2A(2025年6月18日撮影・Contains modified Copernicus Sentinel data 2025)」