マルタの巨石神殿群は、地中海のマルタ島とゴゾ島に残る紀元前4千年紀から3千年紀の神殿群で、世界で最も古い部類の石造建築として世界遺産に登録されています。ゴゾ島のジュガンティーヤ神殿と、マルタ島のタルシーン神殿の2か所を訪れた記録を、動画・写真・解説付きでまとめています。
ゴゾ島のジュガンティーヤ神殿
マルタ島の北端からフェリーでゴゾ島へ渡り、巨石神殿群の中で最も古いジュガンティーヤ神殿に来ました。エジプトのピラミッドより古い石造建築です。併設の博物館には新石器時代の解説が充実していて、墓から見つかった動物の角や、人の顔をかたどった像が展示されています。一度文明が途絶え、1000年ほど経って別の民族が住み始めた流れも説明されていました。
神殿は街を一望できる高台にあります。外壁は硬い石灰岩で、入口の両側には丸い穴があり、扉の軸を受けていたと考えられています。内側は柔らかい石で造られていたため残っておらず、外側の硬い壁だけが残りました。中に入ると「アプス」と呼ばれる半円形の部屋が4つから6つ続き、一番奥には動物の骨が見つかった場所があって、儀式に使われたのではないかと書かれていました。上から見下ろすと、独特の形がよく分かります。
UNESCOの登録理由では、ジュガンティーヤ、ハジャール・イム、ムナイドラ、スコルバ、タ・ハジュラト、タルシーンの6件が、紀元前4千年紀から3千年紀に建てられた世界最初期の独立した石造建築とされています。楕円形の前庭から凹面のファサードを通って入る構造で、立てた石板の上に横の石を載せ、持ち送りで屋根を架けていました。外壁には硬い珊瑚質石灰岩、内部や装飾には柔らかいグロビジェリナ石灰岩を使い分けています[1]。
住宅街の中のタルシーン神殿
別の日に、マルタ島のタルシーン神殿へ行きました。住宅地のど真ん中にあり、風化を防ぐためにテント状の屋根で覆われています。巨石神殿群の中では比較的新しいものですが、一番古い部分は紀元前3800年から3000年ごろとされていて、3メートルほどの巨石が積まれています。動物のレリーフや、動物の骨、ほとんど消えかけた船の線刻も見つかっていて、現物は博物館に保存され、現地にあるのはレプリカです。
空港から一番近い巨石神殿がタルシーンで、バレッタからバスで行けます。マルタ島の南には2つの神殿が近くに並び、最古のジュガンティーヤだけが北のゴゾ島にあります。近くにある別の世界遺産ハル・サフリエニの地下墳墓は予約が必要で、外観だけ見てきました。
UNESCOはタルシーンを6件の中では保存状態が劣るものとし、発掘で露出した建物の劣化を遅らせるために、取り外しできる軽量の保護シェルターを当面の対策として設けていると記しています。装飾された石の一部は風化から守るため屋内に移されました[1]。
世界遺産データ:マルタの巨石神殿群
マルタの巨石神殿群は1980年に世界遺産に登録されました。登録基準は(iv)で、独創性と複雑さ、巨大な規模に加え、建設に必要だった高度な技術が理由です。当初はゴゾ島の「ジュガンティーヤ神殿」として登録され、1992年にマルタ島の5件を加えて現在の名称になりました。6件それぞれに緩衝地帯が設けられています[1]。
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- iv
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- vii
- viii
- ix
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- (iv)人類の歴史の重要な段階を示す建築・技術・景観の見本