ギリシャを代表する世界遺産で首都のアテネに観光に行った際に、少し足を伸ばせばもう1つの世界遺産にも日帰りで行けます。それがダフニ修道院です。遠く離れたオシオス・ルカス修道院・ヒオス島のネア・モニ修道院と3件まとめて1つの世界遺産に登録されています。今回はダフニ修道院だけ訪れた記録を、動画・写真・解説付きでまとめています。
アテネ郊外のダフニ修道院へ
ダフニ修道院はアテネ中心部から離れた郊外にあり、観光客はほとんどいません。地下鉄とバスを乗り継いで訪問しましたが、入口も分かりづらく、かなり迷いました。狙って来ないと来られない場所です。
周囲はかなり崩れていますが、かつては高い壁に囲まれていた修道院です。入口の柱はローマ時代のイオニア式で、後から継ぎ足された部分も見えます。アーチの建築はギリシャというよりローマ帝国を感じさせます。建てられた経緯ははっきりしていないと、現地で知りました。
11世紀のモザイクが残る聖堂
聖堂の中には11世紀ごろのモザイクが、ほぼ当時のままの姿で残っています。その後オスマン帝国の支配を受けながら残ったものです。この時代の美術品は持ち運べないので、壁画やモザイクはその場所に行かないと見られません。聖書の一場面を主題にしたものが多く、1つ1つに名前はついていませんが、天井のモザイクまで見上げると千年の重みを感じます。
聖堂の地下は入れませんでした。敷地には貯水槽・浴場・図書館と推定される建物の跡と、修道士たちの食堂の跡が残っています。くり抜かれたまま残っている壁もあり、どこかの博物館に展示されているのか、現地では分かりませんでした。
UNESCOの登録理由では、ダフニの聖堂は石をレンガで囲んだ積み方の壁と、窓のまわりを飾るレンガ細工、内部の壁モザイクと装飾大理石が当初の要素をすべて残していると評価されています。1999年の地震で大きな被害を受けましたが修復が進み、2008年から一部が再公開されました。モザイクと聖堂のドームの修復は今も続いています[1]。
世界遺産データ:3つの修道院
ダフニ、オシオス・ルカス、ヒオスのネア・モニの修道院群は1990年に世界遺産に登録されました[1]。
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- (i)人類の創造的才能を表す傑作
- (iv)人類の歴史の重要な段階を示す建築・技術・景観の見本
3件はアテネ近郊のアッティカ、デルフィ近くのフォキダ、北エーゲ海のヒオス島と地理的に離れていますが、同じ型式と美意識を共有しています。聖堂はいずれも内接十字型の平面で、スキンチで支えた大きなドームが八角形の空間をつくります。11〜12世紀に大理石細工と金地のモザイクで飾られ、「ビザンティン美術の第2の黄金期」を代表する作品群です。
UNESCOは、金地モザイクの価値だけで3件のどれもが単独で登録に値すると評価しています。建築では、ネア・モニが八角形の聖堂だけの最も単純な形で、オシオス・ルカスとダフニは中央の八角形を周囲の区画が囲んで正方形をなす、より複雑な構成です。ネア・モニの聖堂は1881年の地震後の修復を除いてほぼ無傷で、オシオス・ルカスは今も修道共同体が暮らす生きた修道院です。
残りの2か所は遠く、建築様式も同じということで、今回はダフニだけにしました。