メテオラは、ギリシャ中部の奇岩の頂上に修道院が立つ世界遺産です。文化遺産と自然遺産の両方の基準を満たす複合遺産で、24あった修道院のうち、現在も修道士が暮らすのは4つです。麓の町カランバカから、2月のオフシーズンに訪れた記録を動画・写真・解説付きでまとめています。
2月のメテオラ
麓の町カランバカからタクシーで15分ほど、急な坂を登ってメテオラで最も大きいメガロ・メテオロン修道院に着きました。木曜が休館なのは調べていましたが、着いてみると2月は全面休館で、中には入れませんでした。オフシーズンの考慮が足りなかった、という記録です。
続いて向かったヴァルラーム修道院も金曜は休館でした。神聖な場所なので、短パンやノースリーブでは入れない決まりがあります。修道院どうしは離れていて徒歩では回りきれないので、車か、時間を合わせられるなら電動自転車が向いています。
絶壁の上の修道院と、物資を運ぶロープ
ヴァルラーム修道院のそばまで行くと、絶壁とはこのことという高さで、本当によくこんな場所に建てたと思わされます。アギア・トリアダ修道院では、物資を運ぶためのロープが崖に沿って張られていて、垂直に物を引き上げる仕組みが今も残っています。100年ほど前までは人の移動もこの方法だったと現地で知りました。
UNESCOの登録理由では、ヴァルラーム修道院が見下ろす373メートルの崖に沿って巡礼者を網で引き上げていたことが、消えつつある伝統的な暮らしの象徴として挙げられています。道の無い場所に建てられた住まいが今も残っていること自体が登録基準の1つです[1]。
展望台から見た奇岩の景観
一番見晴らしがよいとされる展望台まで歩きました。ここまで歩いて来る人はほとんどおらず、周りはみな車です。奥の一番高いところにメガロ・メテオロン修道院、手前にヴァルラーム修道院が見え、柔らかい岩が削られて硬い部分だけが残った奇岩が一面に広がります。ギリシャに来てからずっと曇りで、朝は雨でしたが、自然の脅威を見ることができました。
メテオラという名はギリシャ語で「中空の」「天空の」という意味に由来し、英語の meteor(隕石)やゲームの「メテオ」にもつながる言葉です。最後に訪れたアギア・トリアダ修道院は段差がきつく、下山は偶然日本語で声をかけてくれた中国人の夫婦が車で麓まで送ってくれました。
UNESCOの記述では、メテオラはギリシャ語で「宙に浮かぶ」の意味です。修道院が立つ砂岩の柱は地上400メートル以上の高さがあり、6000万年前の河口の堆積物が地震と風雨で削られてできました[1]。
世界遺産データ:メテオラの修道院群
メテオラの修道院群は1988年に世界遺産に登録されました。修道士がこの地に住み始めたのは11世紀ごろで、14世紀のテッサリアの政情不安の時代に登りにくい岩の頂上へ修道院が次々と建てられ、15世紀末には24を数えました[1]。
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- (i)人類の創造的才能を表す傑作
- (ii)建築・技術・都市計画・景観設計における価値観の交流
- (iv)人類の歴史の重要な段階を示す建築・技術・景観の見本
- (v)伝統的な集落や土地・海の利用の見本
- (vii)類まれな自然現象や、自然美・美的な重要性
16世紀には修道院の多くが建てられるか改修され、クレタ島出身の画家テオファネスが1527年に聖ニコラオス・アナパフサス修道院に描いたフレスコ画は、ポスト・ビザンティン絵画の基準となりました。現在も修道共同体が暮らしているのは、アギオス・ステファノス、アギア・トリアダ、ヴァルラーム、メガロ・メテオロンの4つです。